日本では人口減少を含め様々な構造上の問題から住宅寿命は30年とされ、戦後　つくる ⇒ つかう ⇒ すてる　という一方通行を繰り返してきました。世界的な気候変動による温暖化防止の機運から日本においてもSDGｓを掲げその対策に私たち一人ひとりが向き合う事を求められています。この企画では　つくる ⇒ つかう ⇒ なおす ⇒ みなおす ⇒ つかいきる　といった循環サイクルにするために何が必要なのかといった難題に大衆意識をもって取り組んだ企画住宅（実験棟）となります。なおす（修繕）とみなおす（可変）と解釈したとき、日本において蔓延してしまっている、「新築こそが理想」という感覚を、なおす（修繕）という行為で完全化させ、将来のみなおし（可変）に対応出来るようシンプルな構成とし、気密断熱性の確保（外皮平均熱貫流率0.49ｗ/㎡ｋ）、耐震性の確保（等級3）、維持更新の簡素化に配慮し、国の進める長期優良住宅基準を満たし、かつ暮らしに芸術が編み込まれるよう、手作り（製作家具等）​​に拘った計画としました。また使われる材料はせめて現在再生可能な建築材料であることという条件を付加させ、主流外壁材である窯業系サイディング（再生化商品には至っていない）等は使用していません。

工事開始から手作業による完全再生化は、関わる職種すべてに対して職人技量の向上につながり、現在の規格型住宅では難しい、伝統知の回復へ繋がります。このような住宅を選択する人を増やすことが出来ればお客様は職人の育成に参加する事に繋がり、愛着を持って、美しい循環を生む事に近付くのだと信じます。

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SY企画とは・・・製作家具専門会社　株式会社ラフ　と　石山美法建築設計アトリエが提供する　住宅完全再生企画の総称です。